BEO(宴会指示書)とは何ですか
BEO(Banquet Event Order)とは、ホテルの宴会・イベントについて、日時、会場、人数、料理・飲料、会場設営、進行、機材、精算条件などを関係部署で共有するための実施指示書です。宴会予約・セールス担当者が主催者と確認した内容を、当日動く各部署が実行できる形にまとめた社内文書にあたります。
日本語の呼称や帳票体系は施設ごとに異なり、「宴会指示書」「宴会イベントオーダー」「宴会予約請書」などが使われます。必要に応じてレイアウト図、進行台本、メニューを添付します。
この記事の要点
- BEOは、主催者と確認した内容を関係部署が実行できる指示に変換する社内文書です。
- 呼称・様式・作成担当・共有時期に全国共通の基準はなく、施設の規約と社内規程で定めます。
- 人数は「予定人数」「最終確定人数(有料人数)」「最低保証」を分けて記載します。
実施情報が一元化されていないと何が起きますか
口頭や複数のメールに分散した情報だけで共有すると、どの時点の内容が最新なのかが分かりにくくなります。特に参加人数や料理・飲料の数量は直前まで変更されることがあり、旧い内容のまま準備が進むと、余剰仕込みや座席不足が生じるおそれがあります。
確認の経緯が残らないことも課題です。認識の相違が生じたとき、どの時点の内容が共有されていたかを示す記録がないと、原因の特定に時間がかかります。
BEOには何を記載しますか
本記事では、BEOの主な記載情報を次の7領域に整理します。全国共通の正式な分類ではなく、確認部門も施設によって異なります。
| 領域 | 記載する内容 | 主な確認部門(例) |
|---|---|---|
| 基本情報 | 開催日時、会場、主催者、担当者 | 宴会予約・セールス |
| 人数 | 予定人数、最終確定人数(有料人数)、最低保証の有無 | 宴会予約・セールス |
| 会場設営 | 会場形式(スクール形式、シアター形式、正餐形式など)、卓数、ステージ・受付の位置 | 宴会サービス |
| 料理・飲料 | メニュー、フリードリンクの有無、食物アレルギー・食事制限への対応 | 調理・料飲 |
| 機材 | マイク、プロジェクター、スクリーン、音響・照明設備、通信回線 | 音響・施設 |
| 進行 | 搬入、受付開始、開場、開会、閉会、撤収の時刻 | 宴会サービス |
| 精算条件 | 単価、サービス料と消費税の扱い、支払方法 | 宴会予約・経理 |
人数欄でよく混同されるのが「最終確定人数(有料人数)」と「最低保証人数・最低保証額」です。前者は締切後に減員があっても料金算定の基礎となる人数、後者は会場利用の条件として定められた最低人数や金額です。施設によっては「保証人数」という語を用いますが、意味は規約で確認し、BEOにも定義に沿った表記で記載します。
サービス料と消費税はどう記載しますか
サービス料の料率と対象項目は施設ごとに異なります。税・サービス料別の見積では、施設が定める対象額にサービス料を加えた課税対価に消費税10%を計算するのが原則です。宴会場での飲食は軽減税率の対象外で、別建てのサービス料も飲食物提供の対価の一部として扱われます(国税庁の質疑応答事例)。
BEOに金額を記載する場合は、料率、対象項目、税込・税別の別、端数処理を具体的に書き、承認済みの見積書と照合します。税計算の正式な根拠は見積書と料金規程に置く運用が安全です。
BEOはいつ共有し、どう版管理しますか
作成・共有の時期に業界共通の基準はありません。予約確定後に基本情報を登録し、人数確定の締切、食材・外注品の発注、搬入・設営などの期限から逆算して更新します。締切は同じ施設でも手配内容ごとに複数あるため、自施設の利用規約と社内規程で確認します。
版管理では、改訂番号または更新日時、更新者、変更箇所、配布先、受領状況、旧版の無効化を記録します。開催前の指示版と、施行後に実績を反映した版を分けて扱う施設もあります。
予約確定情報から、イベント名・日程・人数・会場情報が入力されたBEOドラフトを作成し、バージョン履歴や部門・担当者別の配布、閲覧・確認状況まで管理する方法は、ルーブックのBEO・宴会指示書機能で確認できます(Sales-Engine Pro以上のプランの機能です)。
催事の種類別に見る記載の重点
- 社内表彰・周年記念:進行台本との整合性、登壇者・受賞者の動線、来賓席、リハーサル、映像・音響・照明
- 婚礼・披露宴:席次・親族席、入退場と進行、料理・食事制限、装花・引出物、司会・音響照明、撮影場所と持込条件
- 学会・カンファレンス:セッション別の会場と時刻、受付・案内表示、登壇者控室、映像・音響・配信、ポスター・展示
- 株主総会:主催者が指定する受付・出席資格確認の手順、議長・役員席と株主席、質問用マイク、動線と控室、警備
転換(同じ会場を別レイアウトに組み替える作業)を伴う場合は、開始・完了の予定時刻と担当部門をBEOに明記すると、設営担当者が作業時間を把握しやすくなります。会場の平面図上にテーブル、座席、ステージ、機材を配置し、出力した図面をBEOに添付する運用は、会場レイアウト作成機能でも行えます。
人数変更時のBEO更新例
予定80名の社内表彰式で、施設が定める最終確定の期限より前に参加予定者が92名へ増えたケースを考えます。変更が関係部署へ共有されなければ、旧い人数を前提に準備が進み、当日に追加対応が必要になるおそれがあります。
更新する場合は改訂版を発行し、料理・飲料の数量と卓数だけでなく、会場定員、避難動線、サービス人員、機材を再確認します。レイアウトが変わる場合は転換の予定時刻も見直します。
よくある記載漏れとチェックリスト
- 予定人数、最終確定人数(有料人数)、最低保証を混同している
- サービス料率・対象項目・税込/税別・端数処理が未記載
- 転換の開始・完了予定時刻と担当部門が抜けている
- 改訂版の配布先と受領状況が記録されていない
- 食物アレルギーや宗教上・文化上の食事制限への対応可否が未記載
- 搬入・撤収の時間と経路が決まっていない
- 個人情報の共有範囲と保管・廃棄のルールが未整備
よくある質問
Q. BEOは誰が作成しますか。
作成責任者は施設によって異なります。営業または宴会予約が起票し、宴会サービス、調理、音響・照明などの関係部署が担当箇所を確認する運用例があります。
Q. 契約書や見積書とは何が違いますか。
申込書・予約確認書・見積書は主催者との契約や承認を示す書類で、BEOは主に社内向けの実施指示です。役割が異なるため、相互に内容の不一致がないか照合します。
Q. 紙とデータのどちらで運用すべきですか。
更新履歴や配布・受領の記録を残せるシステムでは、最新版を共有しやすくなります。必要に応じて、現場用の印刷物を併用する方法もあります。
BEOの正確性を保つための情報管理
BEOの記載漏れや転記ミスは、情報が複数の場所に分散している場合に生じやすくなります。問い合わせ、見積、確定予約が別々の場所にあると、BEO作成時に情報の再確認や転記が必要になります。
ルーブックEMSでは、問い合わせと見積の履歴を同じ文脈で管理できます。Sales-Engine Pro以上のプランでは、予約確定後にその情報からBEOドラフトを作成し、部門・担当者別の配布と閲覧・確認状況まで管理できます。宴会業務の運用を見直したい方は、ルーブックセールスクラウドをご覧ください。