宴会問い合わせの通話録音と受付確認メールとは
本記事で扱うのは、電話で受けた宴会・MICEの問い合わせについて、①通話録音の個人情報保護法上の整理と社内規程の項目、②通話後に主催者へ送る受付確認メール(受け付けた旨と通話で確認した内容、回答予定日を知らせるメール)の作り方、③電話でのやり取りと契約成立の関係の三点です。聞き取り項目と台帳への入力手順は電話問い合わせを台帳に記録する方法で扱っています。時系列の応対記録は「対応履歴」と呼びます。帝国ホテル 東京の宴会場問い合わせフォームは、ご利用日直前の変更・確認や、回答を急ぐ場合に電話で連絡するよう案内しており、電話を問い合わせ・確認の経路として併設している公式例です。
ひと目でわかるポイント
通話内容から特定の個人を識別できる場合は個人情報に該当し、利用目的の通知または公表が必要です。
録音を行う場合は、目的・保存期間・アクセス権限・削除手順・告知方針を規程に定めます。
通話後の受付確認メールには、確認した内容、ホテルが承諾した事項と承諾していない事項、回答予定日を記載します。
電話でのやり取りでも申込みと承諾の内容によっては契約が成立し得るため、双方で合意した事項と未確定事項を分けて記録します。
通話録音と個人情報保護法の整理
個人情報保護委員会のQ&Aは、通話内容から特定の個人を識別できる場合は個人情報に該当するとし、個人情報取扱事業者には利用目的の通知または公表が必要である一方、個人情報保護法上、録音している旨まで伝える義務はないとしています。電話口で口頭により個人情報を取得する場合は、同法第21条第2項の直接書面取得ではなく同条第1項で扱います。利用目的をできる限り特定したうえで(第17条第1項)、第21条第4項の例外に当たる場合を除き、利用目的をあらかじめ公表するか、取得後速やかに本人へ通知または公表します。対応履歴が個人情報データベース等を構成する場合、その中の個人情報は個人データとなり、必要かつ適切な安全管理措置を講じます(第23条)。
録音を行う場合の社内規程の項目
本記事では、録音目的(応対内容の確認など)、保存期間、アクセスできる者、削除手順、録音告知の方針(通話冒頭の案内文言の有無と内容)を社内規程に定める運用を推奨します。告知文言は「この通話は応対内容の確認のため録音しております」のように、目的を含めた一文にします。
電話でのやり取りと契約成立
「〇月〇日開催で仮に押さえてほしい」という依頼は、依頼内容とホテル側の回答を分けて記録します。契約は、契約内容を示す申込みに相手方が承諾した時に成立し(民法第522条第1項)、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しません(同条第2項)。ただし、実際の契約成立時点は、自館の宴会場利用規約と個別の申込み・承諾内容に照らして確認します。対応履歴上の「仮予約」「確定」は進捗を管理する社内ステータスとして扱い、その表示だけで契約成立を判断しません。記録では、合意した事項、承諾していない事項、未確定事項を分けます。
通話後の受付確認メールの構成
件名には催事名と日付を入れ、本文には通話で確認した内容、ホテルが承諾した事項と承諾していない事項、回答予定日、次の行動を記載します。送信済みメールと送信日時は対応履歴に保存します。入力期限と送付期限は自館で定め、本記事では通話終了後すぐに入力し、当日中に送る例を示します。
件名:〇〇株式会社様 社員研修(〇月〇日)お問い合わせ受付のご確認
〇〇株式会社
総務部 〇〇様
いつもお世話になっております。
〇〇ホテル 宴会予約 担当の〇〇でございます。
本日はお電話にてお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
承りました内容を下記のとおり確認させていただきます。
・催事:社員研修(〇月〇日、第二希望〇月〇日)
・予定人数:60名(最少50名〜最大70名)
・ご希望:スクール形式、プロジェクター使用、昼食付き
・当館からのご案内:〇月〇日は現時点で仮予約としてお受けしております。仮予約の回答期限は〇月〇日です。料金・条件は見積書にてご案内し、正式なお申込みは当館の宴会場利用規約に定める手続きによります。
見積書は〇月〇日までにお送りいたします。
ご不明な点がございましたら、本メールへのご返信にてお知らせください。
よろしくお願い申し上げます。
〇〇ホテル 宴会予約
〇〇 〇〇
電話:03-0000-0000
メール:banquet@example.jp
通話後の記録と確認メールの整理
段階 | 行動 | 残す記録 |
|---|---|---|
通話中 | 聞き取り項目に沿って確認する | 確認済みの項目と未確認の項目 |
通話終了後 | 対応履歴へ入力 | 通話日時・受電者・要点・承諾した事項・承諾していない事項 |
当日中(例) | 受付確認メールの送信 | 送信済みメールと送信日時 |
共有 | 閲覧権限を持つ担当者が確認できる場所に保存 | 案件ステータスと担当者 |
代表電話で受けた研修の問い合わせで考える
宴会部門の担当者が外出中に、代表電話で他部署の職員が60名の研修の問い合わせを受けた場合を想定します。職員は主催企業名、担当者名、連絡先、第一希望日、予定人数を確認し、対応履歴に「①受付・担当者未定・折り返し希望〇時」と入力する設定です。戻った担当者は折り返しの電話で残りの項目を確認し、上記の構成で受付確認メールを送ります。代表電話でも直通電話でも、同じ対応履歴に同じ項目で残る点を前提にしています。
録音と確認メールのチェックリスト
通話内容が個人情報に該当する場合の利用目的を、公表済みのプライバシーポリシーに含める。
録音を行う場合は、目的・保存期間・アクセス権限・削除手順・告知方針を規程にする。
受付確認メールのひな形(宛名・挨拶・名乗り・確認内容・承諾の有無・回答予定日・署名)を作る。
よくある質問
Q. ホテルの宴会問い合わせの電話を録音する場合、相手に伝える必要はありますか。
個人情報保護委員会のQ&Aでは、利用目的の通知または公表は必要である一方、録音している旨を伝える義務までは個人情報保護法上ないとしています。自館で告知する場合は、その文言を規程に含めます。
Q. 電話で受けた宴会の仮予約の依頼は、契約が成立したことになりますか。
契約は申込みと承諾で成立し、書面は要件ではありません(民法第522条)。実際の成立時点は自館の宴会場利用規約と個別の申込み・承諾内容で確認し、「仮予約」の表示だけで判断しません。
Q. 宴会の電話問い合わせの後に送る受付確認メールには何を書きますか。
通話で確認した内容、ホテルが承諾した事項と承諾していない事項、回答予定日、次の行動を記載します。
電話の内容を担当者以外も確認できる記録にする
対応履歴に必要項目が記録され、適切な閲覧権限があれば、不在時の引き継ぎに使用できます。ホテルの宴会・MICEセールスのための管理システムを提供するルーブックでは、Roovook Inquiry Dashboardでオンライン・電話・メールなどの問い合わせを一つのインボックスで管理し、Roovook EMSで問い合わせ内容、案件ステータス、見積履歴を一つの流れで管理できます。電話で受けた内容が担当者の手元にしか残らない状態を整えたい方は、お問い合わせフォームからご相談ください。