宴会セールスの初回対応とは
宴会セールスの初回対応とは、主催者からの最初の問い合わせ(メール、フォーム、電話、来館)に対して、問い合わせを受け付けた旨の連絡、確認事項の聞き取り、回答予定日の提示までを行う一連の対応です。
ひと目でわかるポイント
敬語は文化審議会答申「敬語の指針」の五分類を基準に、主催者の行為には尊敬語、自館の行為には謙譲語Ⅰ・Ⅱを使い分けます。
返信までの時間は自館で目安を決め、問い合わせ窓口に表示します。公表例には「1〜2営業日」があります。
メールは件名、宛名、挨拶と名乗り、用件、結び、署名の順に整えます。
問い合わせで取得する個人情報は、利用目的を特定し、取得前に明示します。
敬語の使い分け:五分類を基準にする
文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年2月2日)は、敬語を尊敬語、謙譲語Ⅰ、謙譲語Ⅱ(丁重語)、丁寧語、美化語の五つに分類しています。尊敬語は相手側または第三者の行為・ものごと・状態についてその人物を立てて述べるもの、謙譲語Ⅰは自分側から相手側または第三者に向かう行為・ものごとについて向かう先の人物を立てて述べるもの、謙譲語Ⅱは自分側の行為・ものごとを話や文章の相手に対して丁重に述べるもの、丁寧語は話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの、美化語はものごとを美化して述べるものです。
宴会セールスの文面では、主催者の行為をその人物を立てて述べる尊敬語には「ご覧になる」「お越しになる」を用います。ホテルから主催者へ向かう自館の行為には「お送りする」「ご案内する」などの謙譲語Ⅰを用い、自館の行為を相手に丁重に述べる場合は「参る」「申す」などの謙譲語Ⅱを用います。「ご覧いただく」は、「見てもらう」ことを、行為を受ける自分側から述べて相手を立てる謙譲語Ⅰです。「ご覧になられる」は、「ご覧になる」に尊敬の助動詞「られる」を重ねた二重敬語なので、「ご覧になる」とします。
返信までの時間:自館の目安を決めて表示する
ホテル宴会の問い合わせには、一律の法定返信期限はありません。帝国ホテル 東京の宴会場問い合わせフォームには、平日9時〜17時に返信し土日祝日は返信しない旨、回答までに1〜2営業日を要する場合がある旨、急ぎは電話で問い合わせる旨が記載されています。ホテルニューオータニ(東京)の宴会問い合わせフォームにも、急ぎの用件は電話を勧める案内があります。いずれも施設別の公表例であり、業界標準ではありません。
自館でも、受付時間、返信までの目安、急ぎの場合の連絡先を問い合わせ窓口に表示します。正式な回答に時間を要する場合は、問い合わせを受け付けた旨と回答予定日を先に送ります。
メールの形式:件名・宛名・用件・署名
要素 | 書き方 |
|---|---|
件名 | 開催予定日・催事名・用件の種別を入れる(例:【お問い合わせ受付のご連絡】〇月〇日開催予定・貴社懇親会) |
宛名 | 会社名、部署名、役職、氏名の順に記し、個人名に「様」。会社・部署宛は「御中」。併用しない |
挨拶と名乗り | 問い合わせへの謝意と、ホテル名・部署・氏名 |
用件 | 受け付けた内容、確認事項、回答予定日を箇条書きで |
署名 | ホテル名、部署、氏名、電話、メール、受付時間 |
名刺と添付ファイルの扱い
名刺は相手が読める向きで渡し、受け取った名刺は丁寧に扱います。
添付ファイルは相手の閲覧環境と用途を確認し、ファイル名に開催予定日、催事名、版番号(v1、v2など)を入れます。内閣府・内閣官房は2020年11月26日、ZIPファイルを送り、そのパスワードを同じ経路で自動送信する方式を廃止しました。これは内閣府・内閣官房の運用方針であり、民間企業一般に対する法的な禁止ではありません。自館では、機密性に応じた共有方法を情報システム担当と選定します。
個人情報の取得と営業案内
問い合わせフォーム等で氏名、所属、連絡先を取得する前に、利用目的をできる限り具体的に特定します(個人情報保護法第17条第1項)。本人がフォームやメール等の書面(電磁的記録を含みます)に記載した個人情報を直接取得する場合は、法令上の例外を除き、取得前に利用目的を明示します(同法第21条第2項)。名刺交換や電話等で取得した場合は、あらかじめ利用目的を公表している場合等を除き、取得後速やかに本人へ通知し、または公表します。取得後は本人の同意なく利用目的の範囲を超えて取り扱わず、個人データには安全管理措置を講じます。
問い合わせ内容への回答だけで、広告・宣伝や営業サイトへの誘導を含まないメールは、特定電子メール法の「特定電子メール」には当たりません。回答とは別に営業案内を送る場合は、同法の対象になり得ます。広告・宣伝メールは、送信を求めた相手、送信に同意した相手、または法定の例外に該当する相手を除き送信できません。送信時は、送信者の氏名または名称、受信拒否を通知できる旨とその通知先、送信者の住所、苦情・問い合わせの受付先を表示します。
初めて宴会を手配する担当者からの電話で考える
以下は本記事の想定例です。「来月、社内の懇親会を初めて担当する」という電話を想定します。受付では、会社名・部署・氏名、希望日程、人数の幅、予算の有無、社内承認の要否を尋ね、内容を復唱します。この例では、通話当日中に受付の連絡と確認事項をメールで送り、回答予定日を記載します。記録方法は電話問い合わせの管理ガイドを参照してください。
初回対応のチェックリスト
主催者の行為に尊敬語、自館の行為に謙譲語Ⅰ・Ⅱを使い、二重敬語を避ける。
受付時間、返信までの目安、急ぎの場合の連絡先を問い合わせ窓口に表示する。
受付連絡に、受け付けた内容、確認事項、回答予定日を箇条書きで入れる。
件名に開催予定日・催事名・用件の種別を入れる。
添付のファイル名に開催予定日・催事名・版番号を入れる。
フォームに利用目的を記載し、営業案内を送る場合は同意と表示事項を確認する。
よくある質問
Q. 宴会の問い合わせメールの宛名は「様」と「御中」のどちらを使いますか。
個人名が分かる場合は氏名に「様」、会社や部署宛の場合は「御中」を使います。両方を併用しません。
Q. お客さまへの案内で「この会場をご利用できます」と書いてもよいですか。
「ご利用できます」は、謙譲語Ⅰの「ご利用する」を可能形にした表現です。お客さまの行為には「ご利用になれます」または「ご利用いただけます」を使います。
Q. 宴会の問い合わせフォームで取得した連絡先に営業案内を送ってもよいですか。
取得前に明示した利用目的の範囲で扱い、広告・宣伝を目的とするメールは特定電子メール法の同意と表示事項を確認します。
初回対応を担当者間で揃える
受付の連絡、確認事項、回答予定日の伝え方を担当者間で共通の手順にします。ホテルの宴会・MICEセールスのための管理システムを提供するルーブックでは、Roovook Inquiry Dashboardでオンライン・電話・メールなどの問い合わせを一つのインボックスで管理し、Roovook Sales Engineで自館サイトからの問い合わせを受け付けられます。受付連絡と回答予定日の運用を担当者間で揃えたい方は、お問い合わせフォームからご相談ください。