宴会・MICEのメール配信とは
宴会・MICEのメール配信とは、ホテルが過去に問い合わせや利用のあった企業・団体の担当者に、宴会場の情報、期間限定プラン、催事の実施例などをメールで案内し、次の見積依頼や会場下見の申込みにつなげる活動です。広告・宣伝を含むメールの送信は特定電子メール法の対象になるため、配信リストの作り方から確認します。
ひと目でわかるポイント
広告・宣伝を含むメールは、原則として受信者の事前同意(オプトイン)が必要です(特定電子メール法第3条第1項)。
名刺などの書面でメールアドレスを通知された場合や取引関係がある場合は同意なく送信できる例外がありますが、受信拒否の通知後はその意思に反する広告配信を停止します。
送信責任者の氏名・名称、配信停止ができる旨と受付用のメールアドレスまたはURL、住所、苦情・問い合わせ先の表示が必要です(第4条)。
広告・宣伝の内容も広告サイトへの誘導もない見積書の送付などの事務連絡は、特定電子メールの対象外です。
特定電子メール法で確認する四つの点
特定電子メール法は、営利を目的とする団体または営業を営む個人が、自己または他人の営業について広告・宣伝の手段として送るメールを対象にします(所管は総務省・消費者庁)。①送信できる相手は、送信者または送信委託者に送信を求める旨または同意する旨を通知した者、送信者または送信委託者に、省令で定める方法で自己のメールアドレスを通知した者(原則は名刺などの書面通知で、施行規則第2条には限定的な例外があります)、広告対象の営業について取引関係にある者、メールアドレスを公表している団体・営業を営む個人で受信拒否の表示がない者です(第3条第1項)。②同意を得た場合はその記録を保存します。③受信拒否の通知後は、その意思に反する広告配信を停止します。必要な事務連絡まで一律に禁止されるわけではなく、契約に関する通知に広告が付随する場合などには法令上の例外があります(第3条第3項・施行規則第6条)。④通常の宴会プラン案内には、送信責任者の氏名・名称、配信停止ができる旨と受付用のメールアドレスまたはURL、住所、苦情・問い合わせ先を表示します。住所と問い合わせ先はリンク先で示す方法もあります(第4条)。
配信リストの作り方と個人情報保護法
配信リストの候補は、問い合わせ対応履歴の連絡先、過去に催事を実施した主催者、商談で受け取った名刺です。過去の利用実績だけで現在も取引関係があるとは限りません。継続的な取引や今後の取引予定などを確認し、取引関係を根拠にできない場合は同意など別の送信根拠を確認します。問い合わせ対応のために取得した連絡先を宴会プランの案内に使うときは、取得時に特定した利用目的の範囲内かを確認します。その範囲を超える利用には、法令上の例外を除き、本人の事前同意が必要です(個人情報保護法第17条第1項・第18条第1項)。自発的に提供された名刺や口頭で得た連絡先には、利用目的の事前公表または取得後の速やかな通知・公表が原則です。ただし、通常の名刺交換による今後の連絡など、取得状況から利用目的が明らかな場合は例外があります(第21条第1項・第4項第4号)。フォームで連絡先を取得する場合は、送信前に利用目的を明示し(第21条第2項)、広告メールの受信同意も取得して記録を保存します。配信事業者に個人データの取扱いを委託する場合は、委託先への必要かつ適切な監督を行います(第25条)。
リストの区分(本記事の整理) | 送信の根拠(例) | 案内の内容(例) | 確認事項 |
|---|---|---|---|
見積送付後・検討中の主催者 | 取引に関する事務連絡 | 見積書の確認、回答期限の案内(確認メール文例) | 広告・宣伝と広告サイトへの誘導を含めない |
過去に催事を実施した主催者 | 現在の取引関係、または同意 | 次回開催の案内 | 取引関係の有無、受信拒否、担当者の変更 |
名刺交換のみの担当者 | 書面によるアドレスの通知 | 宴会場の情報、プラン | 利用目的の通知・公表、表示事項 |
フォームで同意を得た登録者 | 事前同意 | 期間限定プラン、実務ガイド | 送信前の利用目的明示、同意の記録、配信停止方法 |
案内するメールの五つの種類
本記事では、①宴会場とレイアウトの紹介、②期間限定プランの条件、③実務ガイド(見積書の読み方など)、④許諾を得た実施例、⑤過去の主催者への次回開催の案内、の五つに整理します。プランの割引や特典を含める場合、比較対照価格の根拠と条件の記載は宴会プロモーションの設計と同じ基準で確認します。
配信後に確認する指標
配信数、不達数、開封数、クリック数、返信数、問い合わせ件数を記録します。メール内の画像の読み込みで開封を推定する方式では、Appleのメールプライバシー保護による自動読み込みなどにより、計測値と実際の閲覧が一致しないことがあります。開封数だけで判断せず、クリック、返信、問い合わせ、見積書送付、申込みも確認します。
3か月のメール配信計画を考える
送信根拠を確認した主催者と配信に同意した登録者に、3か月で3回配信する例を考えます。内容は会場紹介、実務ガイド、忘新年会プランとし、配信ごとに送信の根拠となる区分、表示事項の確認者、返信と問い合わせ件数を記録します。
配信前のチェックリスト
送信先ごとに、同意、書面による通知、取引関係、公表アドレスのどれが送信の根拠かを記録している。
受信拒否の通知を受けた連絡先を広告配信から除外している。
送信責任者の名称、配信停止の方法と受付用のメールアドレスまたはURL、住所、問い合わせ先を表示している。
名刺や電話で得た連絡先の利用目的を通知または公表しているか、取得状況から明らかかを確認している。
クリック、返信、問い合わせ件数を配信ごとに記録する欄がある。
よくある質問
Q. 名刺交換した担当者にホテルの宴会プランの案内メールを送れますか。
名刺など書面で自己のメールアドレスを通知した相手には、特定電子メール法上は事前同意なく送信できる例外があります。ただし受信拒否の通知後は広告配信を停止し、第4条の表示事項が必要です。
Q. 宴会の見積書を送るメールにも特定電子メール法の表示は必要ですか。
見積書の送付など、広告・宣伝の内容も広告サイトへの誘導もない取引上の事務連絡は、特定電子メールの対象外です。広告を添える場合は、送信目的や内容に応じて適用を確認します。
Q. 宴会案内メールの開封率はどのように読めばよいですか。
画像の読み込みを使って計測した開封数は推定値です。受信側の機能の影響を受けるため、返信や問い合わせなどの件数も確認します。
配信の返信を問い合わせ対応履歴につなぐ
配信への返信や問い合わせは、問い合わせの受付手段と、きっかけとなったメールの配信名を分けて記録し、見積書送付と申込みまで同じ案件で追います。ホテルの宴会・MICEセールスのための管理システムを提供するルーブックでは、Roovook CRM・リードスコアリング(Sales-Engine Pro以上)で主催者ごとの対応履歴を確認でき、Roovook EMSで問い合わせ内容、案件ステータス、見積履歴を一つの流れで管理できます。過去の主催者への案内を対応履歴と同じ場所で管理したい方は、お問い合わせフォームからご相談ください。