チームでそろえる業務手順とは
本記事では、問い合わせから申込みまでの対応について、チームでそろえる業務手順を扱います。対象は、対応履歴の記入手順、初回回答の手順、見積書の作成・改訂手順、受付方法・認知経路の記入手順、会場資料の管理手順の五つです。五つは記録を排他的に分類するための区分ではなく、手順を確認する観点です。複数に関係する問題は、最初に変更する手順を一つ決めて扱います。
ひと目でわかるポイント
五つの手順はいずれも、記録欄、ひな形、保存先、更新担当者を決めることで具体化します。
既存の道具で運用する場合も、手順、ひな形、保存先を先に確認します。
着手順は、未入力、所在不明、版の不明、内容の食い違いを洗い出してから自館で決めます。
効果の数値は本記事では示しません。変更した手順ごとに自館で確認します。
五つの業務手順の全体像
業務手順 | 決めること | 最初に用意するもの |
|---|---|---|
対応履歴の記入手順 | 案件の情報をどこに、誰が、いつ入れるか | 共有案件記録の記入項目と入力するタイミング |
初回回答の手順 | 初回回答に何を含め、回答予定日をどう伝えるか | 受付確認メールと回答予定日の文例 |
見積書の作成・改訂手順 | 見積書の項目・税区分・版の識別・送付履歴 | 共通の見積書ひな形 |
受付方法・認知経路の記入手順 | 受付方法とホテルを知ったきっかけをどう分けて記録するか | 受付時の記入欄(別々に設ける) |
会場資料の管理手順 | 会場情報の公開範囲、更新日、更新担当者 | 来館前に提供する会場情報の一覧 |
対応履歴の記入手順と初回回答の手順
対応履歴の記入手順は、電話・メール・来館で受けた内容を、担当者以外が読める場所に残すための手順です。記入項目は案件基本情報、提示した見積の版、対応履歴、案件の状況の四区分でそろえ、入力するタイミングを受付時と回答時のように業務の流れの中に置きます。正本と更新責任の決め方は共有案件記録の正本・更新責任・権限設計で扱っています。
初回回答の手順は、問い合わせを受け付けた旨を知らせる受付確認メールと、回答予定日を伝える文例を用意することです。回答予定日、見積有効期限、仮予約の回答期限、主催者の検討予定日は意味の異なる項目なので、一つの「期限」にまとめません。文例は宴会セールスの連絡の設計を参照してください。
見積書の作成・改訂手順と受付方法・認知経路の記入手順
見積書の作成・改訂手順は、項目名、単価、数量、税区分、含まれる範囲をそろえた共通の見積書ひな形を持ち、発行日と見積番号を付け、差し替えを改訂日または版番号で区別し、主催者への送付履歴を残すことです。サービス料と消費税の計算順序は宴会見積の「税・サービス料別」とはで整理しています。
受付方法・認知経路の記入手順は、受付方法(フォーム・電話・メール・来館)と、主催者がホテルを知ったきっかけ(自己申告の認知経路)を別の欄に記録することです。
会場資料の管理手順
会場資料の管理手順は、主催者が来館前に確認する会場情報を、写真、寸法入り図面、レイアウト別の収容人数と算定条件、常設設備と貸出備品、料金に含まれる範囲に分けて管理し、公開範囲、更新日、更新担当者を決めることです。案件に応じた資料の選択と、基礎情報の管理は分けて考えます。
担当者が使う資料を集め、同じ会場の寸法、収容人数、設備、料金条件に食い違いがないか確認することから始めます。整え方は来館前に提供する宴会場の会場情報にまとめています。
どの手順から見直すかを決める
担当者の作業量を確認し、最初に変更する手順と確認日を決めます。手順は次のとおりです。直近の案件で、未入力、所在不明、版の不明、内容の食い違いのどれが起きたかを担当者ごとに挙げます。次に、それぞれが五つの手順のどれに関係するかを確認します。分類した件数と、期限・誤送付等への影響を確認し、自館で着手順を決めます。
変更後の確認は問題の種類で分けます。未入力は、項目ごとに対象期間と入力対象案件を決め、入力期限までに未入力だった対象案件数を同じ期間の入力対象案件数で割って確認します(対象案件がない場合は算出しません)。版管理は最終送付版の識別可否、資料は更新日と食い違いの有無で確認します。
担当者3名のチームで考えます
宴会セールス担当者3名のチームを想定します。以下は順位も含めた架空の設定です。直近1か月の案件で起きた問題を挙げたところ、「前回送った見積書の版が分からない」が最も多く、次が「電話で聞いた希望日と人数が未入力」でした。
この例では、先に見積書の保存先、版の識別方法、主催者への送付履歴をそろえます。次に、電話で聞いた希望日と人数を、受付担当者が共有案件台帳へ入力する時点を決めます。残る手順の着手順は、この二つを確認した後に決めます。人数と確認期間は説明のための設定です。
業務手順の見直しチェックリスト
直近の案件で起きた未入力・所在不明・版の不明・内容の食い違いを担当者ごとに挙げる
それぞれが五つの手順のどれに関係するかを確認し、最初に変える手順を一つ決める
共有案件記録の記入項目を四区分でそろえ、入力するタイミングを決める
受付確認メールと回答予定日の文例を用意する
共通の見積書ひな形に発行日・見積番号・改訂日または版番号と送付履歴を設ける
受付方法と認知経路を別の欄で記録する
会場資料の公開範囲、更新日、更新担当者を決める
変更後の記録と資料を確認してから次に見直す手順を決める
よくある質問
Q. 宴会セールスチームの業務手順はどこから見直せばよいですか。
直近の案件で起きた未入力、所在不明、版の不明、内容の食い違いを挙げ、五つの手順のどれに関係するかを確認して、最初に変える手順を一つ決めます。着手順と確認期間は自館で決めます。
Q. 小規模なホテルでも五つの手順をそろえる必要がありますか。
五つは本記事の確認観点であり、必須要件ではありません。少人数のチームでも、担当交代や不在時に参照する見積書と対応履歴の保存先を決めます。
Q. 業務手順の見直しに新しいシステムは必要ですか。
手順とひな形を確認し、表計算ソフトや共有フォルダを使う場合は、正本、編集権限、更新担当者を決めます。案件管理の仕組みを検討するときは、件数だけでなく、更新権限、履歴、検索、他システムとの連携要件を確認します。
手順をそろえた後に確認すること
五つの手順は、システム選定の前に用意する業務ルールとひな形です。共通手順を決めた後、AIを使う場合の入力可否と出力確認は宴会セールスのAI出力を確認する手順で扱っています。
ホテルの宴会・MICEセールスのための管理システムを提供するルーブックでは、問い合わせ内容、案件ステータス、見積履歴を一つの流れで管理できるRoovook EMSと、オンライン・電話・メールなどの問い合わせを一つのインボックスで管理するRoovook Inquiry Dashboardを提供しています。
担当者ごとに見積のひな形も記録の場所も違い、どこから手を付けるか決めかねている——その手順の見直しから相談したい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。