夏季宿泊研修で手配するもの
夏季宿泊研修の手配とは、研修プログラムを実施するために必要な客室、会議室、料飲、移動、当日の運営条件を一つの案件としてまとめ、施設と条件を確定していく作業です。一括手配か別手配かを問わず、共通の行程表で条件と期限を確認します。
本記事では手配に絞ります。プログラムの組み方は研修プログラム設計のガイドを参照してください。
ひと目でわかるポイント
客室、会議室、料飲、移動、安全・情報の五区分で担当者と期限を照合します。
会議室は希望レイアウト、机寸法、通路を含む収容人数で確認します。
客室は室数と部屋タイプ、減室期限と取消条件を契約条件で確認します。
屋外の活動を含む場合は、中止・短縮・屋内切替えの基準と責任者を事前に決めます。
五つの手配区分を照合する
区分 | 確認すること | 期限が関わる項目 |
|---|---|---|
客室 | 室数と部屋タイプ、ルーミングリスト | 減室期限、取消料の発生時点と算定方法 |
会議室 | レイアウト別収容、料金に含まれる設備、分科会室 | レイアウト変更期限、利用時間の延長可否 |
料飲 | 食事会場と提供時間、食物アレルギー対応の可否 | 料理・飲物を用意する有料人数の通知期限 |
移動 | 所要時間、貸切バスの乗降・駐車、荷物の移動 | 集合・解散時刻、会議室の使用開始時刻 |
安全・情報 | 現地の暑さ指数と代替会場、緊急時の連絡体制 | 中止・短縮の判断時期と責任者 |
各区分の担当者、期限、変更・取消条件を同じ案件記録で照合します。荷物を持って移動する行程であれば、荷物を預けられる場所と客室に入れる時刻も対象です。集合と解散の時刻によって会議室の使用開始時刻が変わります。
客室と宿泊者情報
客室は、確保できる室数と部屋タイプを先に確認します。1名1室か2名1室かで必要な室数と金額が変わります。多めに押さえる場合は、減室期限と、減らせなかった分の扱いを契約条件で確認します。用語と期限の考え方は団体客室のガイドで扱っています。
ルーミングリスト(宿泊者リスト・部屋割り表)の提出期限と項目は施設ごとに確認します。これとは別に、旅館業法第6条では、営業者に宿泊者名簿の備付け・記載義務があり、宿泊者には求められた氏名・住所・連絡先等を告げる義務があります。日本国内に住所を有しない外国人には、国籍・旅券番号も必要です。名簿の保存期間は作成日から3年です。法令は主催者のルーミングリスト提出期限を定めていないため、施設の案内・契約条件として別に確認します。実務はルーミングリストのガイドにまとめています。
会議室の付帯条件
希望レイアウト(スクール形式、島型の卓など)での収容人数。
会場に備え付けの設備と、料金に含まれる設備の区別。
スクリーン、プロジェクターまたはLEDディスプレイの規格、マイクの本数、発表用PCの接続方式。
柱の位置、天井高、暗幕の有無。
班別討議に使える分科会室の有無と、その利用時間。
会議室の使用時刻、延長の可否と料金、レイアウト変更期限。
レイアウト別の収容の考え方は会場レイアウトと収容のガイドにまとめています。
料飲と周辺の環境
朝食の提供時間帯と会場、昼食と夕食の場所、懇親会を別会場で行うかを確認します。飲料を伴う懇親会は、時間制の定額とするか消費量に応じた精算とするかで運用が変わります。詳しくは飲料プランのガイドで扱っています。
持病、医師の診断に基づく食物アレルギーなどの情報は、要配慮個人情報に該当し得ます。取得前に利用目的をできる限り具体的に特定し、申込書等で本人から直接取得するときは、あらかじめ利用目的を明示します。要配慮個人情報の取得には、法令上の例外を除き、あらかじめ本人の同意が必要です。ホテルへの共有が委託に当たる場合は委託先を必要かつ適切に監督し、第三者提供に当たる場合は、法令上の例外を除きあらかじめ本人の同意を得ます。共有項目と閲覧範囲は必要な範囲に限ります。
屋外活動・暑さ・緊急時への備え
環境省の暑さ指数(WBGT)の実況値・予測値は、活動地域の傾向を把握する参考情報です。公表値と実際の活動場所のWBGTは、日射、風、地面、屋内外の条件によって異なるため、可能な限り活動場所でWBGT計を用いて確認します。主催者と施設で、中止、短縮、休憩追加、屋内への切替えを判断する責任者と基準を事前に決め、屋内に切り替えた場合の会場の確保も同じ行程表に書き込みます。
緊急時の対応は、施設側の連絡体制、最寄りの医療機関の場所と連絡先、AEDの設置場所を事前に確認し、参加者向けの連絡先を配布資料に載せます。
60名の宿泊研修で考える
60名、1泊2日、討議中心の研修を想定します。会議室は島型の卓で12班、客室は2名1室を基本に一部を1名1室とする構成で見積を依頼しました。回答の段階で収容が足りず、隣接する別室を分科会用に併用する案が示されています。会議室の収容を希望レイアウト付きで先に確認していれば、客室の押さえと同時に組み合わせを検討できます。客室の減室期限、会議室のレイアウト変更期限、料飲の有料人数通知期限は、それぞれ別の日付になることがあります。
今週から始めるチェックリスト
集合地点からの所要時間と、貸切バスの乗降・駐車を確認する。
必要な室数を、1名1室と2名1室の組み合わせで算出する。
希望レイアウトでの会議室の収容人数を、施設に照会する。
備え付けの設備と、料金に含まれる設備を分けて確認する。
各食事と懇親会の会場・提供方法を確定する。
食事制限の聞き取り方法と、施設の対応範囲を書面で確認する。
客室の減室期限、レイアウト変更期限、有料人数の通知期限、取消料の発生時点と算定方法を確認する。
屋外活動の中止・短縮の基準と責任者、緊急時の連絡体制を行程表に書く。
よくある質問
Q. 参加人数が確定していない段階でも宿泊研修の客室を押さえられますか。
仮予約に対応する施設があります。その場合は仮予約の有効期限、契約が成立する時点、減室期限、取消料の発生時点と算定方法を契約条件として確認します。
Q. 宿泊研修の会議室と客室は別々に依頼した方がよいですか。
一括手配か別手配かにかかわらず、共通の行程表で条件と期限を照合します。分けて依頼する場合は、双方の条件を突き合わせる担当を決めます。
Q. 夏季の屋外活動が中止になった場合、代替会場はどう確保しますか。
代替の屋内会場を同じ見積の項目として入れ、いつまでにどちらを選ぶかの判断時期と責任者を先に決めます。追加費用が生じる条件も同時に確認します。
Q. 宿泊研修の会場を下見できない場合、何を確認すべきですか。
レイアウト図と収容人数、天井高と柱の位置、備え付けの設備の一覧を書面で受け取ります。判断が分かれる点は、施設の担当者に図面上で確認します。
宿泊を伴う案件を一つの記録で扱う
宿泊を伴う研修は、客室と会議室と料飲の担当が分かれていると、同じ案件の条件が別々に管理されることがあります。問い合わせの段階から一つの案件として記録すれば、条件を照合できます。ホテルの宴会・MICEセールスのための管理システムを提供するルーブックでは、Roovook Group Bookingsで団体客室の依頼を受け付け、Roovook EMSで問い合わせ内容、案件ステータス、見積履歴を一つの流れで管理できます。宿泊研修の問い合わせを整理したい方は、お問い合わせフォームからご相談ください。