イベントのAVとは
AV(Audiovisual、音響・映像)は、音響と映像に関する技術・機器を指します。イベント技術の業務範囲では照明も一体で扱われる場合があるため、本記事では関連分野として照明も扱います。会場や事業者によっては、照明をAVと別の区分にしています。
必要な機器と運用方法は、会場形状、レイアウト、参加人数、プログラム内容、撮影・配信の有無によって変わるため、会場選定の段階から確認します。
ひと目でわかるポイント
本記事では、音響・映像・照明の三分野に分け、必要な機器、数量、接続系統、操作人員を確認します。
会場備付け設備と、会場費(室料・施設利用料)やプラン料金に含まれる設備は、別々に確認します。
設営と撤去にかかる時間も、会場の利用時間に含めて考えます。
音響:まず聞こえることから
音響で最初に決めるのは、マイクの種類と本数です。登壇者が手に持つハンドマイク、襟元に付けるピンマイク、質疑で客席に回すマイクは用途が異なります。イベント進行表(キューシート)の各場面で誰が話すかを並べると、必要な本数が見えてきます。
ハウリングの起こりやすさは、会場の音響特性だけでなく、スピーカーとマイクの位置、指向性、音量設定などによって変わります。本番と同じ配置で音を出して確認する時間を確保します。
BGMを使う場合は、再生する機器と接続方式を先に確認します。会場の音響設備に接続できる端子の種類が限られていることがあります。
映像:最後列からの見え方を確認する
映像で判断が必要になるのは、スクリーンの大きさと位置です。判断の起点は、最後列の席から文字が読めるかどうかにあります。会場によっては柱や照明の位置でスクリーンを置ける場所が限られるため、レイアウト図の段階で確認します。
本番で使用する資料を実際に投影し、最後列を含む複数の位置から文字の視認性、遮蔽物、明るさを確認します。文字が小さい資料を映す場合と、映像を流す場合では条件が異なります。
送出する側では、接続方式と解像度を事前に合わせます。登壇者が自分の端末を持ち込む場合は、変換アダプタの種類と、切り替えにかかる時間を進行表に含めておきます。
照明:ステージと客席を分ける
照明は、登壇者に光を当てることと、客席の明るさを保つことの二つを分けて考えます。全体を一律に明るくすると、スクリーンの映像が見えにくくなることがあります。
演出照明を暗くできる範囲と操作方法を会場に確認します。ここでいう暗転は演出照明を落とす操作であり、誘導灯や非常照明を消灯する意味ではありません。暗転を使う場合は、合図を出す担当と、点灯までの時間を進行表に記します。
参加者が手元で資料を読む場面や、料飲を提供する場面では、暗くしすぎない配慮も必要になります。
催事の種類で変わるAV構成
催事の種類と重点的に確認する項目 | |
催事 | 重点的に確認する項目 |
|---|---|
セミナー | 資料の視認性と、登壇者交代時の接続切り替え |
表彰式 | ステージ照明と、記念撮影時の明るさ |
株主総会 | 議場全体の音声到達と、株主質問用マイクの運用 |
懇親会 | BGMの音量調整と、歓談中の音声の通り |
ハイブリッド開催 | 配信用の音声分配と、カメラの設置位置 |
着席形式が変わると、スクリーンの見え方とスピーカーの配置も変わります。シアター形式・スクール形式・正餐(円卓)・立食形式などの特性は宴会場のレイアウトと収容人数で確認できます。
AVの見積で確認する項目
会場備付け設備と料金内包範囲:マイクやスクリーンが会場に備え付けられているか、会場費またはプラン料金に含まれるか、本数・枚数、追加料金を分けて確認します。
追加手配の単価:追加分が一日あたりなのか、一回あたりなのかで金額が変わります。
操作の人員:機材の貸出のみか、操作する担当が付くかを確認します。
設営と撤去の時間:会場の利用時間に含まれるかどうかを確認します。
持ち込みの条件:外部の事業者が機材を持ち込む場合の条件と持込料を確認します。
金額の内訳は、サービス料と消費税の扱いによっても見え方が変わります。計算の考え方はサービス料と消費税の計算で確認できます。
架空の事例:200名セミナーのAV準備
以下は説明のための架空の事例です。ホテルの宴会場でスクール形式、登壇者3名、質疑ありという想定で整理しました。この例では、会場費にマイク2本とスクリーン1面が含まれるものと仮定し、それを超える機器を追加手配します。
架空の200名セミナーのAV構成 | ||
区分 | 内容 | 扱い |
|---|---|---|
音響 | ピンマイク2、ハンドマイク2、客席用2 | 会場費内2本、追加4本 |
映像 | スクリーン1面、切替機、変換アダプタ一式 | スクリーンは会場費内、他は追加 |
照明 | ステージのみ点灯、客席は調光 | 会場備付け設備で対応 |
人員 | 音響・映像の操作各1名 | 追加手配 |
この例では、会場費に含まれる範囲で足りない分を先に洗い出したうえで追加分を見積に載せています。含まれる本数を確認しないまま見積を受け取ると、当日に不足が判明する場合があります。
AV準備のチェックリスト
進行表の各場面で、誰が話し、何を映すかを書き出しましたか。
会場備付けの機材と、会場費に含まれる本数を確認しましたか。
最後列からスクリーンの文字が読めるかを確認する時間を取りましたか。
登壇者の端末の接続方式と、切り替えにかかる時間を進行表に入れましたか。
演出照明を暗くできる範囲と、合図を出す担当を決めましたか。
設営と撤去の時間が、会場の利用時間に含まれているかを確認しましたか。
よくある質問(FAQ)
ホテル宴会場の備付け設備だけで法人セミナーを実施できますか。
会場によって備付けの内容が異なるため、一律には言えません。会場備付けの機器、料金に含まれる数量、操作担当者の有無を確認し、進行表から算出した必要数と照合します。
AV機材は外部の事業者から持ち込めますか。
AV機器・事業者の持ち込み条件は会場ごとに異なります。利用規約、指定事業者の有無、持込料、電源、搬入経路、養生、作業可能時間、立会いの要否を確認します。
ハイブリッドイベントで追加になる音響・映像・配信機材は何ですか。
必要な追加機材は配信方式によって異なります。構成例として、カメラ、映像スイッチャーまたはキャプチャー機器、配信用PCまたはエンコーダー、会場音声を配信へ送るオーディオインターフェース、返し映像・音声、上り回線、配信監視用の端末を確認します。冗長回線、録画機器、予備機の要否も、配信事業者と会場の構成に合わせて決めます。
AV仕様を、問い合わせ段階から記録に残すために
ホテルの宴会・MICEセールス向け管理システムを提供するルーブックでは、Roovook Inquiry Dashboardで、オンライン・電話・メールなどの問い合わせ内容、担当者、状態、対応履歴を一つのインボックスで管理できます。Roovook e-RFPでは、デジタル見積をモバイル対応のWebリンクとして共有できます。AV仕様と追加料金の確認履歴を一元化したい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。