持込ワインの受付記録とは
持込ワインの受付記録とは、主催者が宴会場にワインなどの酒類を持ち込みたいと申し出たときに、申告・検品・保管・提供・精算の各段階で誰がどの本数を記録し、合意した課金基準と当日の実績本数をどう照合するかを決めておく運用です。持込料そのものの考え方は持込料・コルケージの基礎で扱っているため、本記事は受付後の記録と照合に絞ります。
ひと目でわかるポイント
宴会場への飲食物の持込は、ホテルの許可を前提とする規約の掲載例があります。
抜栓料の課金基準を「受領本数」にするか「開栓本数」にするかで請求額が変わるため、申告時に合意します。
未開栓ボトルの返却方法と、二十歳未満の飲酒防止の措置を取り決めます。
持込は許可制であることを規約で確認します
ホテルの宴会規約には、出席者への提供を目的とした飲食物の持込を禁止事項とし、ホテルが許可した場合を除くと定める例があります(京王プラザホテル 宴会場ご利用規約 第12条第4号、2025年11月1日最終改正、2026年10月2日閲覧)。ホテルメトロポリタンの規約も、ホテルの承諾なしに飲食物を持ち込むことを禁止事項に挙げ、持込を希望する場合は事前に相談し、内容により持込料を申し受けることがあると付帯サービスの節で案内しています(ホテルメトロポリタン 宴会利用規約、同日閲覧)。いずれも施設ごとの規約であり、業界共通の条件ではありません。自館の規約で持込の可否・対象・料金の決め方がどう書かれているかを、受付の最初に確認します。
受付から精算までの五つの工程
工程 | 確認する内容 | 記録に残す項目 |
|---|---|---|
①申告 | 種類・本数・容量・提供方法(乾杯用か歓談中か) | 申告日、申告者、申告本数、合意した課金基準 |
②検品 | 本数の一致、開栓済み・破損の有無、搬入時刻 | 受領本数、受領者、状態 |
③保管 | 冷却の要否、保管場所、保管料の有無 | 保管開始時刻、温度条件 |
④提供 | グラスの種類、サービス担当、提供開始の合図 | 開栓本数、提供時刻 |
⑤精算 | 合意済みの課金基準と実績本数の照合、未開栓分の返却方法 | 請求本数、返却した未開栓本数、受取者 |
五つの工程は本記事の整理であり、担当部門は施設により異なります。工程ごとに本数を記録するのは、精算時に本数の食い違いが出たときに、どの時点で数が変わったかを追えるようにするためです。「本数」は申告・受領・開栓・請求・返却のどれかを常に明記します。
課金基準を申告時に合意します
抜栓料の計算で最初に決めるのは、課金の基準を受領本数にするか、実際に開栓した本数にするかです。受領本数を基準にすると、未開栓のまま返却したボトルにも料金がかかります。開栓本数を基準にすると、当日の開栓記録が請求の根拠になるため、④提供の工程で開栓本数を数える担当を決めておく必要があります。この二つは本記事の比較例であり、施設の料金体系を尽くす二択ではありません。どれを採るかは自館の規約と見積条件で定め、見積書の項目名に「受領本数」「開栓本数」のように基準を明記します。
公表例として、シェラトン都ホテル東京は2025年4月1日からワインの持込抜栓料を1本6,000円(消費税・サービス料込み、対象は全レストラン・バー)と案内しています(同ホテルのお知らせ、2026年10月2日閲覧)。これはレストラン・バーの掲載例であり、宴会場の料金を示すものではありません。
12本受領・10本開栓・2本返却の照合例
50名の立食懇親会で、主催者が750mlのワイン12本を持ち込む案件を想定します。この想定では、抜栓料を1本3,000円(サービス料・消費税別)、課金基準を開栓本数、当日の開栓本数を10本と設定します。
抜栓料の小計は3,000円×10本で30,000円です。サービス料を10%とすると3,000円で、サービス料を含めた33,000円が課税対象額になり(国税庁 タックスアンサー No.6301 課税標準、2026年10月2日確認)、消費税10%を加えた36,300円が抜栓料の請求額です。精算時には、受領記録の12本、開栓記録の10本、返却する未開栓の2本を一つの表に並べ、合意済みの基準(開栓本数)と請求本数が一致することを確認してから請求します。未開栓の2本は事前に取り決めた方法で主催者に返却し、受取者の氏名と時刻を記録します。料率・サービス料の対象・税込か税別かの表示は施設ごとに異なるため、この例の数値は自館の条件に置き換えて使います。サービス料と消費税の計算順序はサービス料と消費税の計算を参照してください。
二十歳未満の飲酒防止はホテルも対象です
二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律は、営業者が二十歳未満の者の飲用に供されることを知って酒類を販売・供与することを禁じ(第1条第3項)、営業として酒類を販売・供与する者に年齢の確認その他の必要な措置を求めています(第1条第4項、e-Gov法令検索、2026年10月2日確認)。ホテルが営業として持込ワインを会場で提供する場合も、この禁止と措置の対象になります。主催者の申告だけに委ねず、参加者に二十歳未満が含まれる可能性を申告時に確認し、提供担当と確認方法を主催者と取り決めます。
保管中の品質については、保管条件(温度・期間)と、破損・変質時の扱いを事前に書面で示します。自館の飲料との組み合わせは宴会の飲料プランの考え方で扱っています。
受付担当のチェックリスト
自館の規約で持込の可否・対象・料金の決め方を確認してから回答する
検品時の受領本数と受領者、提供時の開栓本数と提供時刻を記録する
精算時に受領・開栓・返却の本数を一つの表で照合する
未開栓ボトルの返却方法と受取者を決める
二十歳未満の参加の可能性と、年齢確認の方法・担当を確認する
よくある質問
Q. 持込ワインの抜栓料は受領本数と開栓本数のどちらで計算しますか。
施設の規約と見積条件によります。どちらを基準にするかを申告時に合意し、見積書の項目名に明記します。
Q. 未開栓で残ったボトルはどう扱いますか。
未開栓ボトルは、事前に取り決めた方法で主催者に返却します。
Q. 持込ワインの提供で二十歳未満の飲酒防止はどちらが確認しますか。
営業として酒類を提供するホテルも、年齢確認その他の措置の対象です。提供担当と確認方法を主催者と取り決めます。
持込の条件を案件記録に残します
ホテルの宴会・MICEセールスのための管理システムを提供するルーブックでは、問い合わせ内容、担当者、案件ステータス、見積履歴を管理するRoovook EMSと、見積書をモバイル対応のWebリンクとして共有できるRoovook e-RFPを提供しています。
持込条件の記録と見積への反映については、お問い合わせフォームからご相談ください。