宴会場の空き枠分析とは
宴会場の空き枠分析とは、申込みが減る時期に、どの会場のどの枠が空いているかを集計単位を決めて数え、問い合わせと申込みの記録から確認する作業のことです。本記事では、空き枠を月・曜日・時間帯・会場別に確認し、問い合わせ件数と申込率を点検する手順を整理します。
ひと目でわかるポイント
空き枠は暦ではなく自館の記録で確認します。月の合計が同じでも、平日昼と週末の空き方が異なることがあります。
問い合わせ件数と申込率は別々に点検します。両方が低い枠も記録し、取消しや販売枠の変更も別に確認します。
料金を変更する前に、利用時間、料金に含める範囲、最低保証の条件を見直します。
案内先の抽出と送信根拠の確認は、別記事の手順で行います。
空き枠は自館の記録から確認します
空き枠の出方は、館の立地、主な取引先、扱う催事の種類によって変わります。最初に、前年の同じ時期の宴会予約管理表(ファンクションダイアリー)と問い合わせ対応履歴を確認します。記録があれば、それ以前の同時期とも比較します。
月別の合計が同じでも、平日昼と週末の空き方が異なることがあります。空き枠は月・曜日・時間帯・会場ごとに確認し、問い合わせと受注の記録には催事の種類も付けて集計します。仮予約と確定の扱いは宴会場の仮予約と確定で整理しています。
集計する枠と時点を先に決めます
業界共通の算定式を前提にせず、本記事では、販売可能な枠(会場×日×時間帯)のうち実施済みの催事が利用した枠の割合を、利用実績の指標とします。将来の確定予約枠の割合は別に集計し、仮予約や取消しも分けて記録します。
日単位で「使ったかどうか」だけを数えると、昼だけ使って夜が空いた日も、終日使った日も同じ一件になります。枠の単位は自館の販売方法に合わせて決めます。
問い合わせ件数と申込率を別々に点検します
空き枠を点検する入口として、問い合わせ件数と申込率を確認します。両方が低い枠も記録し、取消しや販売枠の変更も別に確認します。本記事の申込率は、同じ期間に受け付けた重複を除く問い合わせ案件のうち、集計日までに申込みに至った案件の割合です。検討中の件数と集計日も併記します。
問い合わせ件数と申込率を前年の同条件と比べ、申込率が下がった枠では、料金を含む提示条件と検討が止まった理由を確認します。見積作成にかかる時間の点検は見積作成が長引く要因にまとめています。
催事の種類は別の項目で記録します
申込みが減る時期でも、すべての催事が同じように減るとは限りません。催事の種類は会議・研修・法要・記念日などに分けます。主催者の属性、人数、宿泊の有無は別の項目で記録します。
前年同月にも申込みがあった催事の種類を確認します。他館の事例ではなく、自館の記録で確かめる、という順序になります。
料金を変更する前に利用条件を見直します
利用条件として、次の三つを確認します。曜日・時間帯別の料金設定は、価格施策として別に検討します。
利用時間:短時間の枠を設けるか、前後の準備・撤収時間の扱いを明示する
料金に含める範囲:常設設備の利用料や基本的な音響・映像設備(AV)の扱いを明示する
最低保証の条件:最低保証人数と、最低保証額(会場・プランの最低利用金額)の適用範囲を枠ごとに整理する
変更した内容は見積書に明記します。一般消費者向けに割引率や通常料金との比較を表示する場合は、比較対照価格が何の料金かを明示し、過去の自館料金と比べるときは同一内容のサービスで最近相当期間にわたって販売されていた価格かを確認します(消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」)。条件の書き方は宴会プロモーションの設計で扱っています。
120名規模の会場が平日昼に空く場合で考えます
ある都市型ホテルで、120名規模の会場が平日昼の枠だけ空いている状態を想定します。同じ会場の夜間枠と週末は申込みが入っており、月の合計だけでは平日昼の空きを把握できません。この想定では平日昼を対策の対象とし、その枠の利用条件を検討します。
空き枠を点検するチェックリスト
宴会予約管理表から、月・曜日・時間帯・会場別に空き枠を書き出す
集計する枠(会場×日×時間帯)と集計時点、入力ルールをチームで決める
実施済みの利用実績と、将来の確定予約・仮予約・取消しを分けて記録する
枠ごとに問い合わせ件数と申込率を別々に確認し、両方が低い枠も残す
前年同月にも申込みがあった催事の種類を確認する
利用時間、料金に含める範囲、最低保証の条件を見直し、見積書に明記する
案内先の抽出と送信根拠の確認は、過去に利用した主催者への案内計画の手順で行う
よくある質問
Q. 宴会場の稼働率はどのように計算しますか。
算定する枠と集計時点を定め、本文の定義に沿って集計します。本記事では、販売可能な枠(会場×日×時間帯)のうち実施済みの催事が利用した枠の割合としています。
Q. 閑散期に値引きを行う場合、表示で注意する点はありますか。
一般消費者向けに割引率や通常料金との比較を表示する場合、比較対照価格が何の料金かを明示します。過去の自館料金と比較するときは、同一内容のサービスで最近相当期間にわたって販売されていた価格かを確認します。
Q. 宴会場の過去の問い合わせ先に案内メールを送れますか。
広告メールの送信先は、①送信者または送信委託者に送信を求める旨か同意する旨を通知した相手、②名刺などの書面で自己のメールアドレスを通知した相手、③広告対象の営業について取引関係にある相手、④メールアドレスを公表している団体・営業を営む個人で拒否表示がない相手、の要件を確認します。過去の利用だけで現在の取引関係があるとは限りません。個人情報の利用目的を超えて広告配信に利用する場合は、法令上の例外を除き本人の事前同意を得ます。
空き枠の把握から案内までを一つの流れにする
本記事では、空き枠の把握と点検する項目を扱いました。どの作業も、記録が一か所にまとまっていることが前提になります。
ホテルの宴会・MICEセールスのための管理システムを提供するルーブックでは、問い合わせ内容、案件ステータス、見積履歴を一つの流れで管理できるRoovook EMSを提供しています。過去の問い合わせや取引先ごとの履歴を残すRoovook CRM・リードスコアリング(Sales-Engine Pro以上)もあわせてご利用いただけます。
空いている枠は見えているのに、集計の単位がそろわず前年と比べられない——その記録の整理を進めたい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。