RFP(提案依頼書)とは
RFP(Request for Proposal、提案依頼書)とは、催事を計画する企業・団体・イベント会社が、目的、日程、人数、会場と料飲の要件、予算の範囲をまとめて候補会場に送り、条件に沿った提案と見積を求める文書です。複数の会場に同じ要件が送られている場合は、共通条件で比較されることを想定して読みます。
日本の実務では「RFP」ではなく、催事のお問い合わせ、見積依頼、企画のご相談という形で届くこともあります。名称だけで判断せず、依頼文書が情報、価格、解決策のどれを求めているかを確認して回答内容を決めます。情報提供依頼書(RFI)や見積依頼書(RFQ)とは、求められる回答が異なります。
ひと目でわかるポイント
RFPは要件に対する解決策や実施方法を含む提案を求める文書です。
受領時に日程・人数・会場・料飲・予算・提出期限を確認し、不足は質問をまとめて送ります。
対応は受領記録、検討、提案作成、提出、フォローの5ステップに整理できます。
回答可否は空き状況・適合性・収益性・戦略価値の4点で判断します。
受領時に確認する項目
様式は依頼元ごとに異なります。提案作成に必要な項目を確認し、未記載の情報は提案前に依頼元へ確認します。
RFP受領時の確認項目 | |
区分 | 確認する内容 |
|---|---|
催事概要 | 目的、形式、主催者 |
日程 | 本番の日時、設営・撤去の時間、予備日 |
人数 | 予定人数と変動幅、最終確定人数の通知期限 |
会場・料飲 | レイアウト形式、分科会場数、提供形式、特別食 |
予算・進行 | 予算の範囲、提出期限、決定時期、窓口 |
質問は論点別に整理し、依頼元が回答しやすい形でまとめて送ります。
回答するかを判断する
提案書の作成には時間がかかります。空き状況は依頼日に会場を確保できるか、前後の設営・撤去と重ならないか。適合性は人数、レイアウト、設備仕様が自館の条件に合うか。収益性は提示予算が自館の基準単価や最低保証額・最低保証人数と合うかで、基準がなければ最低保証料金・最低保証人数の考え方から整理します。戦略価値は閑散期の稼働や反復の可能性という観点です。
回答しないと判断した場合も、回答できない旨とその理由を可能な範囲で期限内にご連絡します。
RFP対応の5ステップ
1. 受領・記録:経路を問わず一か所に記録します。個人のメールボックスにしか記録がないと、不在時に対応が途切れるおそれがあります。2. 検討:空き状況を照会して回答可否を判断し、担当者を決めます。不足情報はこの段階でまとめて質問します。3. 提案作成:会場提案、見積、オプションを一つの提案書にまとめ、冒頭で要件を再掲します。
4. 提出:期限より前に送り、受信の有無を確認します。5. フォロー:質問に応じ、必要に応じて下見の候補日を提案します。確認項目は会場下見のチェックリストにまとめています。
提案書に入れる構成要素
提案書の目的は、依頼元が社内で説明しやすく、他館と比較しやすい状態をつくることです。本記事で想定する骨格は次のとおりです。
催事概要:受け取った要件の再掲。認識が一致しているかを確認します。
会場提案:推奨会場とレイアウト案、形式別の着席人数、図面・写真。
見積:項目別またはお一人様あたりの料金。含むもの・含まないもの、サービス料と消費税の扱いを明記します。標準化しやすい会議・研修ならDDR(ミーティングパッケージ)が比較に向きます。
運営条件:音響・映像、通信、駐車・搬入、特別食の可否。
取引条件:見積の有効期間、仮予約の保持期限、取消料、支払条件。
次のご案内:下見の可能日と担当者の連絡先。
催事タイプ別の強調点
強調点は依頼書の要件に合わせて決めます。社内承認用の要約が求められる場合は総額と1名あたりの費用を併記し、詳細な仕様が示された場合は項目別の選択肢を整理します。宿泊を伴う案件ではルームブロックとカットオフも明記し、イベント会社経由の案件では指定された比較項目と提出形式をそろえます。
架空の事例:200名のカンファレンス
比較のポイントを示すため、架空のケースを見てみます。イベント会社が「2か月後の平日、200名、午前セッションと昼食、分科会場2室」の条件で3館に同じ要件を送ったとします。A館は期限当日に標準の見積書を1枚送り、B館は前日に見積と図面を送りましたが分科会場への言及がありませんでした。C館は受領当日に返信と2点の質問を送り、翌日に要件の再掲、レイアウト案、項目別見積、下見の可能日という順で提案しました。
依頼主への比較表で、C館は要件がすべて反映された候補として並びました。この架空の事例では、要件の反映状況が比較結果に影響する設定としています。
今週から始めるチェックリスト
お問い合わせが届く経路を洗い出し、記録先を一か所に決める。
受領確認の定型文(受領の事実と提案予定日)を作り、全担当者で共有する。
受領時の確認項目チェックリストを1ページにまとめる。
回答可否の基準をチームで合意する。
要件の再掲から次のご案内までを含む提案書のテンプレートを用意する。
受注・失注したRFPを定期的に集め、要因を振り返って基準を更新する。
よくある質問
Q. RFPとRFI、RFQの違いは何ですか。
RFI(情報提供依頼書)は市場やサービスの情報を集める文書、RFQ(見積依頼書)は仕様に基づく価格提示を求める文書です。RFPは要件に対する解決策や実施方法を含む提案を求め、必要に応じて見積価格も求めます。名称だけで判断せず、文書で求められている回答内容を確認します。
Q. RFPへの返信はどのくらいの速さが必要ですか。
業界共通の回答期限はありません。受領確認と提案書提出の社内目標時間を定め、依頼元に回答予定時期を伝えたうえで、その時期を守ります。
Q. 予算が合わないRFPにはどう対応すればよいですか。
単価を下げるより、時間帯やメニューのグレード、曜日の変更で予算内に収まる代替案を示す方法があります。
Q. 相見積もりだと告げられた場合、対応を変えるべきですか。
比較が前提であれば、比較項目と表示順を依頼条件に合わせてそろえます。日本の慣行への対応は相見積もりへの回答設計で扱っています。
提案の質を、力量から仕組みへ
RFP対応の担当差を抑えるには、受領記録、確認項目、提案テンプレート、フォロー手順を標準化します。ホテルの宴会・MICEセールスのための管理システムを提供するルーブックでは、Roovook EMSで複数経路のお問い合わせを一か所にまとめ、Roovook e-RFPではデジタル見積をモバイル対応のWebリンクとして共有できます。受け取ってから提案を届けるまでの経路を一度整理したい方は、お問い合わせフォームからご相談ください。