イベント進行表(キューシート)とは
進行表とは、催事当日の流れを時刻順に並べ、担当と合図(キュー)を記す運営用の文書です。企画書が目的を扱うのに対し、進行表は時刻ごとの動きを扱います。
現場では「進行表」「キューシート」などの名称が使われますが、範囲は催事や組織によって異なります。発話や演出指示を記す進行台本と、映像・舞台制作で出演者や場面などを整理する香盤表は、本記事では進行表の同義語として扱いません。
ひと目でわかるポイント
進行表は「時刻 × プログラム × 担当 × キュー」を一枚にまとめた当日運営の文書です。
進行表・司会台本・BEO(宴会指示書)の作成者と共有先は、主催者・運営会社・会場の業務分担によって異なります。
リハーサル前に初版を作り、変更を反映した最新版を配布します。
進行表・司会台本・BEOの違い
以下は役割分担の例です。作成者と共有先は、主催者・運営会社・会場の業務分担によって異なります。
進行表・司会台本・BEOの役割の違い | |||
区分 | 進行表 | 司会台本 | BEO |
|---|---|---|---|
目的 | 当日のタイムライン共有 | 発話と演出の指示 | 確定内容を社内へ指示 |
共有先の例 | 当日スタッフ | 司会・演出担当 | 料飲・調理・施設部門 |
作成者の例 | 主催者・運営会社 | 演出・司会側 | 会場の宴会担当 |
主な記載 | 時刻・担当・キュー | 発話内容・立ち位置 | 人数・メニュー・設営 |
BEO(宴会指示書)は、確定内容を実施部門へ伝える社内向けの実施指示書であり、契約書そのものではありません。契約は申込みと承諾で成立し、法令に特別の定めがなければ書面は成立要件ではありません。料金・人数確定期限・追加費用は、宴会申込書、契約書、利用規約、見積書、電子メールなどで合意内容と経緯を確認します。構成項目はBEO(宴会指示書)の作り方をご覧ください。
進行表に記載する8つの項目
本記事では、進行表に記載する項目の例として、時刻・プログラム・登壇者・キュー・音響・映像・担当・備考の八つを挙げます。規模だけでなく、演出・料飲・配信・警備などの内容に応じて必要な項目を選びます。
進行表の記載項目と書き方の目安 | |
項目 | 書き方の目安 |
|---|---|
時刻 | 開始時刻と所要時間を併記(例「14:00〜14:10」) |
プログラム | 参加者に伝わる名称に統一し社内略語は避ける |
登壇者 | 役職・氏名と、待機位置・スタンバイ時刻 |
キュー | Q1・Q2と番号を振り、無線か手信号かを明記 |
音響 | マイクの種類と本数、BGMのイン・アウト |
映像 | 送出ファイル名・再生時間・画面転換 |
担当 | 責任を負う部署・役割を記載し、決まっていれば氏名も併記 |
備考 | 搬入物・接遇・短縮可能な区間か |
表の上部に催事名・実施日・版数・更新時刻・作成者・承認者・配布先を併記し、確定後の変更も記録に残します。
キューとコールの担当を分ける
合図を書いても、発する人と時間を管理する人が決まっていなければ機能しにくくなります。
キュー番号:キューにQ1、Q2などの識別番号を付けると、無線やインカムで対象の合図を特定しやすくなります。
コールの使い分け:催事の運営方法に応じて、実行前の「スタンバイ」と実行時の「GO」を使い分け、技術担当へ合図を伝えるコール担当者と代行者を決めます。
時間管理の担当:計画との差分を記録し、コール担当と統括に伝えます。兼務する場合はその旨を文書に書きます。
バッファをどこに置くか
プログラムを隙間なく並べると、一つの遅れが後続に影響します。セッションや休憩の長さに共通の基準はありません。
バッファの配置例には、開会直前、料飲提供前の準備時間、終盤のプログラム前などがあります。必要な位置と長さは、催事内容・移動・質疑・料飲提供・会場転換の条件に合わせて決めます。あわせて短縮可能な区間と承認者をあらかじめ記載すると、遅延時の判断を早めやすくなります。料飲と安全に関わる区間は、会場の同意なく短縮しないことを原則とします。
記入例:架空の200名セミナー
以下は、14時開始、200名規模の製品セミナーを想定した架空事例です。
架空の200名セミナーの進行表 | |||||
時刻 | キュー | プログラム | 音響・映像 | 担当 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
13:20〜14:00 | Q1 | 受付 | BGMイン | 運営B | バッファ区間 |
14:00〜14:05 | Q2 | 開会・オープニング映像 | BGMアウト・映像送出 | 映像C | 映像終了後に客席照明を点灯 |
14:05〜14:15 | Q3 | 主催者挨拶 | ハンドマイク1 | 司会D | 固定順序 |
14:15〜14:55 | Q4 | セッション1 | ピンマイク・資料送出 | 映像C | 端末切替2分を含む |
14:55〜15:10 | Q5 | 休憩 | BGMイン | 宴会サービス | 短縮は会場と協議 |
15:10〜15:50 | Q6 | セッション2 | ピンマイク・資料送出 | 映像C | 持ち込みPCの切替時間を含む |
15:50〜16:20 | Q7 | 質疑応答 | 客席マイク2 | 司会D | 質問6件を上限 |
この例では、開会前と休憩に遅延を吸収する余地を設け、セッション1の40分に持ち込みPCの切替時間2分を含め、各行に担当者を記載しています。
会場と共有するときの確認事項
搬入・設営の可能時刻:直前に別の催事があると設営開始が遅くなる場合があります。
料飲の提供タイミング:開始・終了を進行表に記し、舞台進行と重ならないようにします。
会場備付け設備と料金に含まれる設備:マイク・スクリーン・プロジェクターについて、備付けの有無、会場費(室料・施設利用料)に含まれる範囲、追加料金、手配・設営時間を確認します。
撤去の締切と緊急時の連絡体制:誰が進行の中断を判断するかを決めておきます。
着席形式と会場転換:形式が変われば動線と転換時間も変わります。特性は宴会場のレイアウトと収容人数で確認できます。
会場側の確認手順は会場下見のチェックリストと併せて確認できます。
よくある質問(FAQ)
イベント進行表は主催者と会場のどちらが作成しますか。
作成者は運営体制によって異なります。主催者または運営会社が作成するほか、会場が企画・運営まで受託する場合は会場担当者が作成または共同作成することもあります。作成責任者と承認者を打合せ時に決めます。
イベント進行表と司会台本は別々に作る必要がありますか。
一つにまとめるか分けて作るかに業界共通の決まりはありません。発話内容や演出指示が長い場合は司会台本を分け、進行表から該当ページやキュー番号を参照できるようにします。
イベント進行表は開催日のいつまでに確定させればよいですか。
業界共通の期限はありません。会場ごとの人数確定・発注・搬入の締切から逆算して版を固めます。締切は契約書や宴会申込書で確認します。
進行表を支えるのは、問い合わせ段階からの記録です
設営時刻や料飲条件が電話とメールに分かれていると、最新版の照合に時間がかかります。ホテルの宴会・MICEセールス向け管理システムを提供するルーブックでは、Roovook Inquiry Dashboardで、オンライン・電話・メールなどの問い合わせ内容、担当者、状態、対応履歴を一つのインボックスで管理できます。Roovook BEO(宴会指示書)(Sales-Engine Pro以上)では、確定内容を部門へ配布できます。
進行表と会場側の条件を一つの記録で管理したい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。