宴会・MICE問い合わせの経路の記録とは
問い合わせ経路の記録とは、ホテルの宴会・MICEの問い合わせ一件ごとに、①受付チャネル(電話、自館フォーム、メール、外部の会場検索サイト)、②自己申告の認知経路(検索、紹介、過去利用など)、③ウェブ訪問に付与されたキャンペーン情報(UTM)を別項目として残し、問い合わせ受付・見積書送付・申込みという集計上の到達点を同じ定義でつなげる作業です。三つは同じ接点を示すとは限りません。
ひと目でわかるポイント
受付チャネル、自己申告の認知経路、UTMキャンペーン情報を別項目にします。
問い合わせ受付→見積書送付→申込みの到達点を、担当者間で同じ定義にそろえます。
同じ月の申込み数を同じ月の問い合わせ数で割ると、分子と分母の対象案件が一致しない可能性があります。
経路別の数値は、催事の種類・予定人数・開催希望日と組み合わせて読みます。
経路が分からなくなる場面と到達点の定義
自館サイトを見た後に電話するなど、一件の問い合わせに複数の接点があることがあります。記録の前に、集計上の到達点を決めておきます。オンライン施策では訪問、問い合わせ受付、見積書送付、申込みを、訪問データのない電話・紹介では問い合わせ受付以降を同じ定義で追います。これらは案件管理上の五段階とは別です。五段階は見込み案件管理のガイドで扱います。
経路の記録に必要な五つの項目
記録項目は、受付時に継続して入力できるかも確認して決めます。確認時期は運用例です。
記録項目 | 残す内容 | 確認時期(例) | 見直しの行動 |
|---|---|---|---|
受付チャネル・認知経路 | 受付チャネルと、検索・広告・紹介・過去利用(リピート)などの認知経路 | 週1回 | 記録漏れのチャネルを補う |
UTMキャンペーン情報 | どの案内・配信から訪問したか | 施策終了時 | 反応の少ない案内の見直し |
集計上の到達点 | 問い合わせ受付・見積書送付・申込みのどこまで進んだか | 週1回 | 止まっている到達点の確認 |
催事の種類・規模 | 催事の種類、予定人数、開催希望日(未定の場合は希望時期) | 受付時 | 種類別の対応基準の調整 |
案件の状況・結果 | 進行中、保留、申込み、他施設で決定、開催中止など | 月1回 | 結果別の対応の見直し |
オンラインの接点はUTMパラメータで区別する
UTMパラメータは、参照リンクや広告に設定するリンク先URLへ追加し、そのリンクから発生した訪問のキャンペーン情報をGoogle Analytics 4(GA4)に渡すための値です。7項目は、utm_source(参照元)、utm_medium(マーケティングメディア)、utm_campaign(キャンペーン名)、utm_id(キャンペーンID)、utm_term(検索広告キーワード)、utm_content(クリエイティブやリンクの区別)、utm_source_platform(トラフィックを送ったプラットフォーム)です。
GA4のデフォルト チャネル グループは固定ルールに基づいてトラフィックを分類します。手動タグ付けしたトラフィックでは主に参照元(utm_source)とメディア(utm_medium)を使い、一部のチャネルではキャンペーン名(utm_campaign)も判定に用います。表示中のチャネルグループでイベントデータがどのルールにも一致しない場合は、Unassignedと表示されます。デフォルトチャネルの判定ルールは大文字小文字を区別しません。一方、UTMパラメータ値では、たとえばgoogleとGoogleは別の値として扱われます。本記事では値を小文字に統一し、一覧から選ぶ運用にします。Google Analyticsには個人の氏名、メールアドレス、電話番号など、Googleが個人を識別できる情報を送信せず、UTMを含むURLパラメータにも入れません。
電話・紹介の問い合わせの認知経路を残す方法
UTMは問い合わせの原因を直接証明する情報ではありません。通話の計測や案内コードがない場合、電話や紹介から始まった問い合わせは、「当館をどちらでお知りになりましたか」と受付時に尋ね、自己申告の認知経路として残します。この値は主催者が記憶している経路で、システムが記録した接点とは区別します。複数回答と「不明」を選択肢に含め、推測値と実測値を混在させません。電話の記録の項目設計は通話録音と受付確認メールのガイドで扱います。
数値を読むときの注意点
同じ月同士で割ると、前月以前に受けた問い合わせの申込みが分子に含まれ、分子と分母の対象案件が一致しない可能性があります。本記事では、問い合わせ受付月を基準に案件を追い、何か月後にどの到達点へ進んだかを見る方法を想定します。経路別の数値は、催事の種類、予定人数、開催希望日と組み合わせて読みます。たとえば20名の会議と300名の懇親会では、必要な提案項目が異なる可能性があります。
三つの経路から届いた研修の問い合わせで考える
同じ月に、検索から自館サイトのフォーム、外部の会場検索サイト、過去の主催者の紹介という三つの経路で研修の問い合わせが届いた場合を想定します。三か月後に確認すると、フォーム経由は見積書送付後に保留、外部サイト経由は他施設で決定、紹介経由は申込みという設定です。経路別の件数に加えて、各案件の到達点と結果も一覧で確認します。
問い合わせ経路を記録するチェックリスト
受付チャネル、自己申告の認知経路、UTMキャンペーン情報を別項目にする。
問い合わせ受付・見積書送付・申込みの到達点の定義を文書化する。
UTMの値の一覧(小文字)を作り、リンク作成時はそこから選ぶ。
受付時の質問に「当館をどちらでお知りになりましたか」を加え、複数回答と「不明」を許容する。
問い合わせ受付月を基準に、案件の到達点を追う集計にする。
よくある質問
Q. ホテル宴会の問い合わせで、電話の認知経路はどう記録しますか。
受付時に「当館をどちらでお知りになりましたか」と尋ね、自己申告の認知経路として記録し、複数回答と「不明」を許容します。
Q. GA4でホテルの宴会問い合わせの経路がUnassignedになるのはなぜですか。
GA4では、表示中のチャネルグループでイベントデータがどのチャネル規則にも一致しない場合、Unassignedと表示されます。独自の参照元・メディアが規則に合わない場合のほか、必要な情報が欠けて(not set)になっている場合もあるため、タグ設定と参照元・メディアの値を確認します。
Q. 宴会・MICEの問い合わせから申込みまでの申込率は、どの期間で計算しますか。
問い合わせ受付月を基準に案件を追い、一定期間後の到達点を確認します。同じ月同士で割る方法は、分子と分母の対象案件が一致しない可能性があるため採用していません。
経路別の案件状況を一か所で確認する
経路、到達点、催事の種類、案件結果について、共通の定義と未確認時の扱いを決めて記録します。ホテルの宴会・MICEセールスのための管理システムを提供するルーブックでは、Roovook Marketingで自館サイトへの流入と問い合わせの状況を確認でき、Roovook Sales Engineで自館サイトからの問い合わせを受け付けられます。経路ごとの案件状況を同じ基準で追いたい方は、お問い合わせフォームからご相談ください。