ハイブリッド開催とは
ハイブリッド開催とは、会場に参加者を集めながら、同じ催事をオンラインでも配信し、両方の参加者に向けて進行する開催形式です。会場運営と配信運営の二つの系統が同時に動くため、会場側は通常の設営に加えて、配信に必要な条件を確認します。
会場側から見ると、増えるのは機材だけではありません。回線、電源、音声の受け渡し、責任範囲、参加者情報や映像の取り扱いが加わります。これらを見積書と役割分担表に記載し、障害発生時に確認する担当と連絡順序を定めます。
ひと目でわかるポイント
会場運営と配信運営は別系統のため、責任の分界点を書面で定めます。
必要な機材は配信方式によって変わります。品目を一律に決め打ちしません。
上り回線、電源、音声の受け渡し方法は、下見の段階で確認します。
参加登録、録画、投影する著作物の取り扱いを主催者と整理します。
開催形式の違いと最初に確認する条件
現地開催:参加者は会場に集まります。設営、料飲、進行が中心です。
オンライン開催:参加者は会場に来ません。施設は配信の拠点として会議室や設備を提供する形になります。
ハイブリッド開催:両方が同時に進みます。会場の進行と、オンラインでの見え方・聞こえ方をともに成立させます。
主催者、会場、配信事業者のどこまでが誰の担当かは案件ごとに異なります。提案の段階で、配信を誰が担うかを確認します。
そのうえで、次の項目を受付から下見までの間に確認します。
配信の方式(生配信か、収録して後日公開か、両方か)。
配信を担当する事業者と、会場との連絡窓口。
会場音声を配信側へ渡す方法と、その責任範囲。
カメラの設置位置と、参加者の映り込みに関する主催者の方針。
リハーサルの時間帯と、そのための会場の確保。
下見の段階で確認する項目は会場下見のチェックリストにまとめています。
配信に必要な機材の構成例
必要な機材は配信の方式によって変わるため、品目を一律に決め打ちしません。構成例としては、カメラ、映像スイッチャーまたはキャプチャー、配信用のパソコンやエンコーダー、会場音声を配信へ送るオーディオインターフェース、登壇者へ返す映像・音声、上り回線、配信を監視する端末が挙げられます。
冗長回線、録画、予備機の要否は、配信事業者と会場の構成に合わせて決めます。会場に備え付けの設備と、料金に含まれる設備を分けて記載する点は、通常の催事と同じです。音響・映像・照明の考え方はAVと照明のガイドで整理しています。
回線・電源と避難経路
来場者向けの無線接続と、配信に用いる回線は分けて考えます。有線での接続可否、他の利用者と共用かどうか、当日に回線が混雑した場合の対応を、事前に取り決めておきます。
電源は、機材の合計容量と設置位置から必要な系統を割り出します。配線や機材を設置する際は、避難経路を妨げず、非常口と誘導灯の視認性を確保します。会場図面での事前確認は会場図面のチェックリストが参考になります。
権利と個人情報の取り扱い
配信・録画で使用するスライド、写真、映像、音楽について、主催者が必要な複製・公衆送信等の権利処理を行う範囲と、施設・配信事業者が確認する範囲を契約前に定めます。ライブ配信だけでなく、録画の保存、編集、見逃し配信、公開期間も確認します。
参加登録フォームで本人から氏名や連絡先を直接取得する場合は、原則として送信前に利用目的を明示します。個人を識別できる映像を撮影・録画する場合は、撮影目的、撮影範囲、公開先、公開期間を参加者に事前に案内し、撮影対象外の席や区画を用意します。
見積と役割分担の線引き
会場費、機材の貸出、電源・回線の追加、立ち会いの人員、リハーサルのための会場使用時間を、それぞれ項目として分けて示します。どこまでが会場の請求で、どこからが配信事業者の請求かを、見積書の上で読み取れるようにします。
配信の品質そのものを施設が保証するのか、施設は設備と場所の提供に留まるのかも、契約条件として書き分けます。責任範囲が曖昧なままだと、障害発生時の判断を現場だけに委ねることになります。
300名の周年式典で考える
会場に300名が参加し、社員向けにもオンライン配信する周年式典を想定します。配信は主催者が手配した事業者が担当します。当日、登壇者のマイク音声が配信側に届かず、会場音響担当と配信事業者のどちらが対応するかの確認に時間がかかりました。
会場音声の受け渡し点と、その先を配信事業者が担当することを事前に書面で定めておけば、原因の切り分けに着手する担当が明確になります。
今週から始めるチェックリスト
問い合わせ様式に、配信方式と配信担当者の欄を設ける。
会場ごとに、上り回線の条件、有線接続の可否、電源の系統を書き出す。
会場音声を配信側へ渡す方法と受け渡し点を、標準の説明資料にまとめる。
リハーサルに必要な会場使用時間を、見積の項目として設ける。
会場の請求範囲と配信事業者の請求範囲を、契約条件で書き分ける。
投影する著作物の権利処理と、参加者情報・録画の取り扱いを主催者と確認する。
よくある質問
Q. ハイブリッド開催に必要な機材は何ですか。
配信の方式によって変わります。構成例としては、カメラ、映像スイッチャーまたはキャプチャー、配信用のパソコンやエンコーダー、会場音声を配信へ送るオーディオインターフェース、登壇者へ返す映像・音声、上り回線、監視用端末が挙げられます。冗長回線や予備機の要否は事業者と会場の構成に応じて決めます。
Q. 会場のインターネット回線をそのまま配信に使えますか。
会場ごとに条件が異なります。来場者向けの無線接続と配信用の回線を分けられるか、有線接続が可能か、他の利用者と共用かを事前に確認し、必要に応じて回線の追加を見積に含めます。
Q. 配信の品質は会場が保証するのですか。
契約条件によります。施設が設備と場所の提供に留まるのか、配信そのものを請け負うのかを書き分け、障害が生じた場合の対応窓口もあわせて定めます。
Q. 参加者の映り込みや録画の取り扱いはどうしますか。
参加登録フォームで本人から情報を直接取得する場合は、原則として送信前に利用目的を明示します。撮影目的、撮影範囲、公開先、公開期間を事前に案内し、特定した利用目的を超えて取り扱うときは、法令上の例外を除き本人の同意が必要です。配信事業者等に取り扱わせる場合は、第三者提供か委託かを整理し、必要な手続と監督を行います。
配信を含む案件を標準化する
ハイブリッド開催の問い合わせが増えても、確認項目が担当者ごとに違えば、回答の粒度はそろいません。会場ごとの回線と電源の条件、標準の機材構成、責任の分界点を一度書き出しておけば、次からは同じ質問を繰り返さずに済みます。ホテルの宴会・MICEセールスのための管理システムを提供するルーブックでは、Roovook EMSで問い合わせ内容、案件ステータス、見積履歴を一つの流れで管理し、Roovook BEO・宴会指示書(Sales-Engine Pro以上)で確定した機材と進行を当日の担当者に共有できます。配信を含む案件の受け方を整えたい方は、お問い合わせフォームからご相談ください。