催事が押した・巻いたときの時間調整とは
催事が押した・巻いたときの時間調整とは、当日に予定より遅れた場合(押し)と予定より早く進んだ場合(巻き)に、進行表のどの時間を動かし、誰が承認し、何を動かさないかを決めておき、残り時間と厨房への連絡を実績の時刻とともに記録することです。押し・巻きの語は音響・イベント事業者の用語解説にあり(ヒビノ PA用語解説)、「巻く」は時間を短縮して進める指示にも使われるため、本記事では指示を「何分短縮」と具体化します。進行表の記載項目全体はイベント進行表(キューシート)の作り方で扱っています。
ひと目でわかるポイント
プログラム実施時間・転換作業時間・調整用の予備時間を分けて把握し、動かせるのは予備と承認済みの短縮対象だけにします。
押しても巻いても、料理の提供時刻と次の登壇者の到着は動かす前に確認します。
残り時間・未使用の予備・短縮可能時間を計算し、実績の時刻を進行表に残します。
本記事で分ける三つの時間
時間の種類 | 内容 | 確認する人 | 当日に動かせるか |
|---|---|---|---|
プログラム実施時間 | 講演・挨拶・演出そのものの長さ | 登壇者の希望を基に主催者が調整 | 主催者が承認した短縮対象だけ |
転換作業時間 | 登壇者交代、機材切替、レイアウト変更、料飲提供の準備 | 実作業を担う技術・設営・厨房の担当 | 作業に必要な時間は削らない |
調整用の予備時間 | 作業を割り当てていない予備 | 主催者と会場 | 使った分と残りを記録する |
本記事では転換を独立した行にします。項目の実施時間に含めて書く場合は、内訳と予定・実績を記し、並行して行う作業を直列に足す二重計上を避けます。
押したときは残り時間と短縮可能時間を計算します
遅れが分かった時点で、閉会予定までの残り時間、未使用の予備時間、承認済みの短縮対象の合計を計算します。遅れが予備と短縮可能時間の合計に収まるなら、どの予備を何分使い、どの項目を何分削るかを決めて記録します。収まらない場合は、終了時刻の延長を主催者に確認します。延長は会場の利用時間と延長料金に結び付くため、可否と料金を契約前に案内しておき、当日の延長は内容を記録して契約条件に基づいて精算します。請求までの流れは宴会の最終請求と精算にまとめています。
巻いたときは次の項目を前倒しできるかを確認します
予定より早く進んだ場合も、そのまま次へ進めるとは限りません。次の登壇者が到着しているか、料理の準備が間に合うか、参加者が待機する場所があるかを確認し、前倒しできる項目と、予定時刻まで待つ項目を分けます。早まった分を歓談や休憩に充てるか、次の項目を前倒しするかは、主催者と会場が事前に決めた範囲で判断します。
料理の提供時刻は動かす前に厨房に確認します
押しても巻いても、料理の提供開始時刻は会場側の確認後に確定します。提供開始が遅れると料理提供に連動する後続工程に影響することがあり、早めると準備が間に合わない場合があるためです。進行表には「提供開始は会場側の確認後」と書き、乾杯や閉会など提供の起点となる項目の実績時刻を厨房・宴会サービスに連絡します。音響・映像の切り替えの確認項目は企業イベントの音響・映像・照明を参照してください。
200名セミナーで開会が20分遅れた場合と10分早く進んだ場合を想定する
13時開会・17時閉会の200名のセミナー(講演2本、休憩1回、質疑応答)で、閉会後に会場を転換して17時30分から立食の懇親会の料理提供を始める設定を想定します。進行表には、休憩前に予備10分、閉会前に予備10分を置き、備考に「質疑応答は主催者承認のもと最大10分短縮可」と書いてあるものとします。
場面 | 予定 | 実績・差分 | 予備の消費 | 短縮の承認 | 動かさないもの |
|---|---|---|---|---|---|
開会が20分遅れた | 13:00開会 | 13:20開会(+20分) | 休憩前の予備10分を使用、閉会前の予備10分は未使用のまま残す | 質疑応答を10分短縮(承認済み) | 転換10分・休憩20分・懇親会の提供開始17:30 |
講演2が10分早く終わった | 15:30講演2終了 | 15:20終了(−10分) | 休憩前の予備10分に加算し20分の予備として保持 | 短縮なし | 質疑応答の開始時刻、懇親会の提供開始17:30 |
遅れた場合は、予備10分と短縮10分で20分を吸収し、閉会前の予備は不測の遅れに備えて残す設定です。早く進んだ場合は、休憩を予定どおりの時刻まで延ばし、質疑応答を予定時刻に始める設定としています。いずれも厨房に実績を連絡し、提供開始17:30に変更がないことを確認します。
時間調整のチェックリスト
プログラム実施時間・転換作業時間・調整用の予備時間を分けて進行表に置く
主催者が承認した短縮対象と最大短縮時間を備考に書く
遅れが分かった時点で残り時間・未使用の予備・短縮可能時間を計算する
早く進んだときは次の登壇者・料理の準備・待機場所を確認してから前倒しする
料理の提供開始時刻は会場側の確認後に確定し、実績を厨房に連絡する
予定・実績・差分・予備の消費・短縮の承認を進行表に記録する
よくある質問
Q. 転換時間を項目の所要時間に含めて書いてもよいですか。
含めて書く場合は内訳と予定・実績を記し、並行作業の二重計上を避けます。本記事では独立した行にする整理です。
Q. 予備時間はどのくらい取ればよいですか。
一律の目安はありません。登壇者数、転換の回数、料理の提供回数に応じて、区間ごとに主催者と会場で決めます。
Q. 当日の実績の時刻は誰が記録しますか。
本記事では会場側の進行担当が実績時刻と差分を記録し、次回の実施時間と転換時間の根拠にする整理です。リハーサルでの確認項目はイベントリハーサルのチェックリストを参照してください。
実績の時刻を部門と共有します
ホテルの宴会・MICEセールスのための管理システムを提供するルーブックでは、案件の対応履歴を管理するRoovook EMSと、確定した時刻と作業を部門に配布するRoovook BEO・宴会指示書(Sales-Engine Pro以上)を提供しています。
押し・巻きに備えた進行表の運用については、お問い合わせフォームからご相談ください。